どうもよよよです
なーにが半沢直樹だよって思いますね
いや、一話も見たこともないですけど、だいたい知ってますよ
敵キャラが大げさにイヤなヤツだったり、分かりやすく悪事を働いていたり、巨悪に立ち向かう!なんてそんなおままごと見て溜飲を下げてるようでは世間の社畜もまだまだだなと思いますね
あの脚本の池井戸潤さん、下町ロケットとか陸王とかの脚本も書いてた人ですよね?
どうやらあの人は社畜のツボを抑えるのがめちゃくちゃうまいらしい
下町ロケットや陸王では大手メーカーに立ち向かう小さな工場で気のいい仲間たちとともに切磋琢磨する、という形でブラック企業を美しく描いていました
「すまん、みんなトラブルが発生した…このままだと納品に間に合わない…」
「何言ってんですか!社長!僕ら残業ならいくらでもやりますよ!なぁみんな!」
自分があんな働き方させられたらブラック企業と叩くくせドラマとなると世間の社畜どもは感動しちゃうのが不思議です
そしてブラック企業の賛美ドラマを書いてるかと思ったらモンスター社員を逞しく描いた半沢直樹ですよ
経営者と従業員と立場違うからいいじゃないか、と思いますか?
でも結局、町工場と大企業、一従業員と役員、みたいなルサンチマンの劣等感を解消するためのシナリオってことでしょ?
庶民へ向けて思いっきりハードル下げて「お前らこういう弱いものが強いものに立ち向かうのが好きなんだろ?」と庶民のストレスをお手軽にガス抜きされてるようで好きになれないです
あのねぇ、皆さんこと社畜が立ち向かうべきはイヤな上司とか不正とかそんな分かりやすくパッケージ化された悪ではない
そんな分かりやすい悪を倒すのなんか誰でもできますよ、半沢直樹なんかヒーローでもなんでもない
日本にはびこるのは残業を断りにくい空気とか意味のない会議を繰り返す雰囲気とか曖昧な習慣なんです
そういう長きに渡って巣食ってきた習慣を打ち倒すのは分かりやすい巨悪を倒すより難しいはずです
皆さんは半沢直樹を見てストレス解消してる場合じゃないんですよ
自分の有給休暇も取れてないくせに倍返しもクソもないでしょ
皆さんが戦うべきは巨悪ではなく、自分を苦しめる習慣に慣れてしまっている自分自身なんだから、もっと危機感を持ちなさい
もっとその怒りは半沢直樹で解消するのではなく、自分や流されている周りへ向けられるべきだ!
そう、皆さんが目指すのは今までの苦労を倍返しするほどのハッピーセミリタイアなのだから…